【H31年度編入】電気通信大学編入試験体験談
今年度、電気通信大学情報理工学域Ⅲ類の受験をしたので体験談を書いていこうと思います。
先に言っておきますが、ちゃんと合格しましたので、合格体験記として読んでみてください笑
それではいってみましょー
[目次]
スペック
成績(大体40人中)
1年: 14位
2年: 2位
3年: 10位
4年: 13位
L:270 R:290 計560(2年1月)
L:380 R:390 計770(3年7月)
L:? R:? 計685(3年11月, IP)
L:370 R:425 計795(3年3月)
L:430 R:410 計840(4年11月, IP)
その他
フランス語検定準2級(4年7月)
ドイツ語検定3級(4年12月)
詳しいことは東大の体験記で書こうと思いますが、TOEICがちょっと良いこと以外は普通の高専生ですね。成績も2年次以外は平凡です。
電通大を受験したキッカケ
元々志望校が東大、東北大、首都大の3校でした。ですが、「この3校だけだと全落ちが容易に想像できる....!」と思ったので、急遽5年の4月にパパッと決めました。ってなわけで、初めて電通大に足を運んだのは、実は試験当日です。物理が勉強できそうで(専攻を物理に変えたいと思っていた)、受かりやすそうなとこないかなあ~っとネットで探していたところ、電通大に「物理工学プログラム」なるコースがあり、試験科目も英・数・物で東大とかぶってるということで受験を決めました。ちなみに私は電気系学科所属です。
以下実際の勉強方法です
※4年までの勉強内容は東大編入体験談に書いてあります。
5年4月
急遽受験を決める。電通大HPに載ってる過去問を見てみる。2年分解いてみたが、東大編入を目指していたため大体解けて安心する。英語については著作権の問題とかで公開されてなかったが、英語は得意だったので放置。物理は半年くらい放置してたのでかなり忘れていた。ので、高校物理からさらっと復習した。使用した本はこちら↓
物理
・物理のエッセンス
・過去問
物理のエッセンス、めちゃくちゃおススメです!物理がある程度わかっている人ならいいんだけど、私みたいに、1, 2年の物理で赤点とりまくってた人間には必須です。私は3年の冬休みにこれをやり込んで、到達度テストの物理はほぼ満点でした。高校生用の参考書なので微積を用いた物理は扱っていません。物理やばいけど何したらいいかわかんねぇ...っていう高専生はぜひ。5年になってからやり始めたら遅いかも。ってか遅い
数学
・過去問
・高専の授業で使っている大日本図書の教科書
数学は授業の範囲で問題ありません(少なくとも私の学校では)。唯一ベクトル空間は学校でやっていませんでしたが、3年のときにマセマで自習していたのでなんとなく解けました。
スバラシク実力がつくと評判の線形代数キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる!
- 作者: 馬場敬之
- 出版社/メーカー: マセマ
- 発売日: 2017/10/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
あ、あと、大日本図書の線形代数の教科書は、問題の解き方を覚えることはできるのですが、「なんでそうなるの?」っていう部分があまりにも多いので、他の本でも勉強すると本質的な理解を得られます。まあ大抵の編入試験に本質的な理解なんていらないんだけど。
英語
ノータッチ
5年5月
物理、数学とも過去問をやっていました。5年になると研究室配属があり、同じ研究室の友人も電通大を受けるとのことで一緒に解いて答え合わせもしていました。この頃に友人と議論したことは非常にためになりました。友人と議論しあうのはお互いのためにもなりますし、深い理解も得られますので、早いうちからやっとくといいです。答え合わせもできていいですよ!
物理は未習範囲であった熱力学も始めました。熱力学の授業なんてなかったので、間に合うかどうか焦りましたが、ゴールデンウィーク中に電通大の過去問が解けるくらいまでは進めました。使用した本はこちら↓
物理
・熱力学
赤い本が熱力学とは何ぞや?っていうのを説明してくれている教科書的なもの。黄色いのはその名の通り演習本です。どちらもやっといて正解でした。電通大の熱力学の範囲だと、↑の本は半分くらいまで進めればOKです。(といっても本番では熱力学でなかった...)
・力学
どちらも名著です。ただし、量が多いのでこの時期に始めるべきではありません。私は4年4月からこの本をやっていました。黄色い本は力学の本質がわかります。みなさんが物理の授業で学んできた各公式がすべて、ma=Fから導かれているのでちょー感動します。物理好きな人はやってみるといいと思います。解析力学等も載っているので末永くお使いいただけます。
・その他過去問
数学
4月同様
5年6月
諸々の編入試験が迫ってきてテンションが上がっていました。この頃、日常生活の会話は約80%が勉強のことでした。逆に勉強のこと以外になると途端にコミュ障勃発させてました。これは今も変わらない。あったか~いお茶とつめた~い水が置いてあると、「わあー!高温熱源と低温熱源があるから熱機関作れちゃうねぇー!」みたいな会話を友人と繰り広げていました。あの理系特有の気持ち悪い会話です。文系の人たちが見ていたら間違いなくゴミを見る目で見ていたことでしょう。たぶんまともな理系の人が見ても白い目で見てくるでしょう。
さて、勉強内容ですが、変わらず過去問を解いていました。といっても、電通大だけでなく、その他の志望校である東大、首都大の過去問も同時に解いていました。この3校は範囲が大体同じなので勉強しやすかったです。
筆記試験
6月28日、ついに本番がやってきました。私にとっては初の編入試験です。前日から東京入りし、ホテルでのんびりと過ごしました。田舎と違って交通の便がいいなあ、というのが印象です。
試験時間等は、
集合 9:30
数学 10:00~12:00
物理 13:00~14:30
英語 15:00~16:30
という感じでした。解答用紙の回収時間等で昼飯食べる時間があまりありませんでした。マクドナルドでチキンクリスプを3つ買ったのですが、2つ食べ終わったところで時間が来てしまいました。最後のチキンクリスプは次の日の朝飯になりました。(どうでもいい)
解答用紙はB4縦で、大問1つにつき表裏1枚使えました。ただしホッチキスの場所が微妙で、裏面が書きづらかったです。参考に、私の覚えている範囲で解答用紙を作ってみましたので下の方に貼っておきます。
机はかなり小さく、
縦 iPhone5s 2.7個分くらい(33cmくらい)
横 iPhone5s 4.5個分くらい(55cmくらい)
で解答用紙が収まりませんでした。試験中、後ろの人に解答用紙でツンツンつつかれました。
服装はスーツと私服で半々。私は背中に「鮮度満喫!麦酒」とでかでかと、胸には「Orion beer」と書かれたオリオンビールのTシャツを着ていきました。受験票と一緒に送られてきた注意事項的な紙に、「英文字が印字されている衣類は着用しないこと。着用している場合には、脱いでもらうことがある。」と書いてあったため、「やべぇ、上半身裸で試験受けることになるかもしんねえ....」と内心冷や冷やしていましたがスルーでした。あまり大きく英字が入っていなければ大丈夫そうです。
数学
例年は、線形代数、ベクトル空間、偏微分、重積分、複素積分の大問5つが出題範囲でしたが、今年は線形代数、ベクトル空間、微積分(偏微分やら重積分やら)、微分方程式、複素積分の大問5つに変わっていました。これは募集要項にも載っていたので対策はしてきました。詳しくは電通大のHPに過去問が掲載されると思うのでそちらを確認してください。難易度は例年通りで、8~9割くらいは取れたと思います。
物理
募集要項には、力学、電磁気学、熱物理学、波動と光、現代物理学と書いてありましたが、ここ数年はずっと熱力学しか出てなかったので、波動と光、現代物理学などは完全にスルーでした。
問題用紙が配られ、試験開始の合図が鳴る。問題用紙をめくり、「力学と電磁気は余裕ですわぁ...( ´_ゝ`)」と心の中でガッツポーズをしました。もう一ページめくると、なんとそこには、良くわからん偏微分方程式が....!
問題文「波動方程式は、下のように.....」
ワイ「ハドウ...ホウテイシキ....? ハジメテキイタヨ」
思わず苦笑いしました。
ワイ「(完全に落ちた....)」
滑り止めで滑ったらもう全部終わりやん、こんなん.....と絶望しましたが、よくよく見てみると、誘導に乗ってけば案外解けそう。波動はとりあえずそっ閉じして力学と電磁気を解きました。
力学:質点の単振り子と剛体の単振り子の微小振動の問題。基本的な問題で全て解けました。
電磁気:無限長の導線に電流が流れていて、その周りの磁場をBiot-Savartの法則を用いて解く問題。無限長の導体パイプの内側に無限長の導線が置いてあって、電流がそれぞれ逆向きに流れていて、中心軸からの距離に応じた磁場をAmpèreの法則を用いて求める問題。の2問
ここまでは順調でした。ただ、後で気づいたのですが、電磁気の問題で磁気定数μ0の付ける場所を間違えていました。計算の過程はあっているはずなので、多少減点されて多くの点数がもらえてるはずです。......たぶん。
問題の波動ですが、小問が全部で6つあり、よく考えれば初見でも全部解けるような問題でした。
たぶん偏微分方程式を見た瞬間に諦めた奴がたくさんいたと思います。が、私は諦めず、ちゃんと問題文を読んでできる限り解いてみました。小問6個中4つは解けました。やってみれば案外解けるものです。見たことのない範囲だからと言って諦めずに、とりあえず考えてやってみる姿勢が、本番では重要だと思います。
まあ、だからこそ、取れるところは確実に取れるような勉強を、本番前にすることが重要なわけです。あれだけ勉強してきたから大丈夫だ。と思えるような勉強をしていれば、編入試験なんて大抵は受かります。(必ずとは言っていない)
というわけで、なんだかんだで物理でも8割くらい取れたと思います。もうちょい低いかも。
あ、ちなみに電通大は物理と化学で選択です。問題を配られた後、解答用紙にどっちを解くのか記入して選択します。私は化学なんて2年生のときの授業でちょいっとやったくらいなので、当然物理選択です。
英語
大問2つ。解答用紙2枚。1問目はA4 2枚+αくらいの英文が書かれており、内容を250字以内の日本語で要約せよというもの。長時間座ることは健康に良くない的なことが書かれており、試験のせいで長時間座っていた私は、直ちに立ちたいと思いました。
2問目は英語の質問が2つならんでいて、どちらか選んでその質問に英語で答えるという問題。片方は小学校でプログラミング教育をすべきかどうか。もう片方は日本の人口減少を止める解決策があるかどうか。という質問で、私は後者を選びました。英語は過去問を解いたことすらありませんでしたが、まあなんとなくできました。全て記述式だったので、どれくらい取れたかはわかりません。問題用紙に下書き用紙がたくさんあったのでスペースには困りませんでした。英文もそんなに難しくありませんでした(TOEIC840並感)。
全体として難易度は例年通りだったと思います。ただ、ここ数年物理の大問3では熱力学しか出ていなかったので、波動が出てきて相当面食らいました。来年度からは熱力学に加えてちゃんと現代物理学等も学んだ方が良いかもしれません。
面接
面接は筆記試験の翌日、6月29日に行われました。類によって別々の建物に集合しました。後述しますが、私が受験したⅢ類では大体25人くらい受験していて、全員が同じ部屋に集まりました。集合は8:30で9:00開始、と受験票と一緒に送られてきた紙に書いてありました。ただ何人か集合時間に遅れてきていたと思います。
集合時間になったところで担当者の人が来て注意事項等の話がありました。その後なんと、問題の書かれたプリントを配られ、小テストが実施されました。担当者曰く面接のネタになるものだそうで、合否に大きくは関わらないそうです。ちょっとは関わるんすかねえ。内容は数学と理科(物理or化学の選択)でした。そしてさらに各科目で3問ずつ問題があり、その中から1問、好きなのを選ぶというものでした。なお解答方法は選択で、①、②、③の中から正答を選ぶというもの。これはそんなに難しくなく、また合否にもそんなに関わらないと思うので気楽に行きましょう。(※この小テストはⅢ類だけ行われたものらしいです。来年以降あるかどうかは不明。そんなものがあったのかあー程度にとどめておいてください。)ちなみに私は数学で間違えました。重積分の問題でミスりました。でも合格しているんで大丈夫です!
控室の担当者が受験生に向かって話しかけてくれており、小テスト中も「あんまり合否には関わらないから気楽にね!リラックス、リラックス~」と緊張をほぐそうとしてくださったため、あまり緊張しませんでした。筆記試験ができたから落ちることはないだろうと思い、自信を持って面接に臨みました。
【面接内容】
・自己紹介(出身校、名前、受験番号、志望プログラムの確認)
・志望理由は?
・(物理が好きだと言ったら)具体的な分野は?
・好きな数式は?(迷って、Coulombの法則と答えました笑)
・卒業後とか10年後の自分はどうありたい?
・卒研なにやってる?
・(核融合関係をやっていると言ったら)磁気閉じ込めと慣性閉じ込めどっちやってる?
・興味のあるラボとかある?
・自己PRをしてください。
・他大学は受ける?
・(控室でやった小テストの)出来はどう?
体感5分くらいでした。私は嘘をつくのが下手なので、全て本音を話しました(電通大の受験は4月に急遽決めたこと、他大学に受かったらそっちへ行くことなど)。各プログラムの先生が一人ずつ面接官で、Ⅲ類は計5人でした。自己PRは予想していませんでしたが、英語やその他語学を結構頑張ってきたので迷うことなく話すことができました。勉強以外にも趣味等なにかやっておくと、面接のときに話すネタができますね。
特に失敗はしなかったので受かったと思って電通大をあとにしました。
合格発表
試験の2週間後、7月13日、10:30。この時既に東大の1次不合格が分かっていたので、電通大落ちたら後がない!とすげえ冷や冷やしていました。試験はそこそこできたし、受験者もそんなに多くないから受かってるだろうと思っていたため、前日には、合格者発表.pdfを電通大HPで開き、自分の番号を見つけるという一連の流れを何度もイメトレしていました笑
さて、10:30になり、電通大HPを開こうと携帯を手に取る、電源を付ける、電通大のHPを開k、、、.........ん?
友人「合格おめでとう。」
とロック画面に通知が。俺拍子抜け。今までのイメトレがぁ....
と、よくわからんうちに合格を知りましたとさ。その後真偽を探るべく、電通大のHPを駆け抜け、ようやく合否発表が記載されているページを見つけ、自分の合格が確実なことを確認しました。まあ合格してたから良かったけどさあー...
感想、まとめ
電通大は東大とかその他レベルの高い大学と試験範囲がかぶっているため、滑り止めとして受験する人が多いです(H30年度の実施状況を見ると、入学者数が合格者数に対して少ないこと、自分含め、電通大が本命という友人がほとんどいなかったことより)。そのため割と難易度が高いと思います。私が受けたⅢ類は25人(くらい)中12人が受かっていたためヌルゲーだったわけですが、Ⅰ類とⅡ類はそれぞれ受験者数45人、55人(くらい)中両方とも合格者9人だったので倍率は5、6倍となっていました。もし私がⅠ類やⅡ類の方に出願していたら確実に落ちていたでしょう。
このように、編入試験は運の要素も絡んできます。自分が確実に受かりたいか、それとも挑戦してみたいかによって受ける大学・学科は変わると思います。前年度の倍率とかはたぶん、たいていの大学で公開されているので、早いうちから情報収集をして大学編入の戦略を立てていきましょう。
英語は低学年のころから勉強しましょう。英語の勉強法等も後日書いていこうと思いますが、私は1年生のころからDuo3.0をやり込み、普段の英語の授業も真剣に聞いていたため(低学年のころのみ)、4年生からはほとんど英語の勉強はしていません。早いうちに英語の勉強をしていれば、4年になって急いでTOEICの対策をする必要とかはなくなるわけです。その分数学や物理に時間を使えます。
といっても、逆に数学・物理を低学年からやって、英語を高学年に回すって言う方法もありますけど、まあ5年になってから焦らないよう、今の内からいろいろ考えておくといいかもしれません。
解答用紙
受験前、各大学の問題用紙は手に入ったのですが、解答方法がわからず、どのような解答を練習すればよいのか(答えだけ記入方式か白紙渡されて全部記述する方式なのかetc.)困ったので、電通大の解答用紙はこんな感じだったというのを覚えてる範囲で作ってみました。
・大問1つにつき1枚裏表印刷です(数学では4枚、物理では3枚)。
・↑のやつは数学と書いてありますが、物理も同じような感じです。英語は異なります。
・右上の黒い三角形をホッチキスで止めてください。
・サイズはB4です。
・すべて記述式です。
・本番はシャーペン、鉛筆に加え、ボールペン使用可です。
・裏面の記入の向きに気を付けてください。
さあどうでしたか?電通大受かる気、湧いてきたでしょうか?とりあえず一通り書いてみましたが、ココが知りたい!あれはどうだったの?といった質問等ありましたらぜひコメントください!
また、思い浮かんだこと等あったら追記していこうと思いますのでよろしくお願いします。