【H31年度編入】首都大学東京都市教養学部 編入試験体験談
今年度、....というか昨年度になってしまいましたが、首都大学東京都市教養学部理工学系物理学コースの編入試験を受験し合格しました。
今さら感ありますが体験談を残します。
※今年から物理学コース(現理学部物理学科)の編入受け入れは廃止されるそうです。試験形式は他学科と通ずる点が多いと思うので参考程度に読んでください。
あ、H31年度ってわかりづらいすかねえ。2019年度って意味です。令和元年とも言うのかな。
ま、とりあえずいってみましょー
[目次]
スペック
成績(大体40人中)
1年: 14位
2年: 2位
3年: 10位
4年: 13位
L:270 R:290 計560(2年1月)
L:380 R:390 計770(3年7月)
L:? R:? 計685(3年11月, IP)
L:370 R:425 計795(3年3月)
L:430 R:410 計840(4年11月, IP)
その他
フランス語検定準2級(4年7月)
ドイツ語検定3級(4年12月)
外国語学習大好きなただの高専生です。英語、フランス語、ドイツ語を頑張りました。定期試験は3年次から頑張り(れ)ませんでした。
首都大は私の代から英語がTOEIC提出になったので、高得点取れてたのはプラスでしたね。IPも提出可ですよ!
受験した学科(コース)について
首都大学東京都市教養学部理工学系物理学コース....って聞いてもなんじゃそりゃ?ですよね。私も未だによくわかりませんが、他大学でいう理学部物理学科みたいなところです。
都市教養学部は文系から理系までいろんな学科(コース)が集まっているよくわからない学部です。
名前がわかりにくいせいか、私の1つ下の代から都市教養学部という学部は消えて、理学部とか法学部とかよくあるわかりやすい名前の学部に分裂しました。詳しくは首都大のHPをチェック
首都大を受験したキッカケ
高専の物理の先生に首都大卒(当時の東京都立大学)の方が多く、首都大は良い教育をしてくれたとおっしゃっていたことがキッカケです。元々物理の勉強がしたくて編入先は物理学科にしようと思っていました。先生の言葉を信じて4年夏休みにオープンキャンパスに行ったところ雰囲気が良さげだったので受験を決心しました。
以下、実際の勉強法です。
3年までの内容は東大編入体験談に載っています↓
4年 春~秋
夏休みに首都大OCに行き首都大いいかも、と思い始めました。3年で高校物理がいい感じに仕上がったので大学物理を勉強し始めました。使った教材は以下の通り↓
物理
・力学
力学の教科書。ma=Fからいろんな法則を導き出しています。運動量保存測、エネルギー保存則等々、全部ma=Fから導かれます!おススメです! .....ですが首都大の物理にはオーバーワークかもしれません。
・詳解力学演習
力学の問題を網羅しています。↑の教科書と併せて少~し使いました。
その他
・H22年度数学の過去問
秋に友人と一緒に試しに解いてみました。友人は「ノー勉で編入試験の過去問が解けるわけないっしょww」などと言っていましたが、首都大の数学は簡単すぎて案外解けちゃいました。友人もびっくり。数学はもう勉強しなくていいと確信しました。
物理の過去問はちらっと見ましたが、こちらも高校物理でなんとかなりそうだという印象でした。
英語はTOEICだし首都大余裕じゃんwと思ってました。
4年 冬~春休み
首都大は余裕だと思っていたので首都大対策はなにもしませんでした。東大編入試験のために勉強していました。ここで勉強していたことは特に首都大の試験では役に立っていません。ただ、物理を放っておいて英語・数学だけを勉強していました。ここは反省点です。
5年 4月
5年が始まり、願書やらなにやらで忙しかったです。
物理を半年くらい放置していたので、久しぶりに物理の過去問等を見たらさっぱり解けなくて焦りました。高校物理から復習しました。
・物理のエッセンス
3年で使ったこいつを復習しました。力学と電磁気だけやって、波動・熱・原子はスルー。物理の勘が戻ってきた...かな?
首都大の物理は物理のエッセンスをやっておけば余裕......だと思っていた。
5年 5月
高校物理を思い出して準備万端!首都大物理の過去問解くぞ!と思ったら....
・H22~30数・物の過去問
数学は相変わらずどれも簡単でした。3年までの数学の授業が分かっていれば対策は必要ありません。が、物理は違かった...
H22~24, 5あたりは高校物理で何とかなったのですが、それ以降は電磁気で積分使ったり難しくなっていたような記憶があります。
電磁気はたま~に、東大の電磁気と比べても難しいなあと思うような問題もありました。
未習範囲の熱力学、避け続けていた波動・光ももちろん解けなかったので勉強を始めました。
・熱力学
・熱・統計力学演習
赤い本で熱力学の理論を勉強し、黄色い本で問題演習をしました。
これらは大学範囲の熱力学ですが、首都大の熱力学は完全に高校物理の範囲なので微積を使ったものは出ません。電通大、東大の範囲だったのでやりました。
・物理のエッセンス
スルーしていた波動・光をやりました。波動・光は、過去問見るとエッセンスの内容そのまんまみたいな問題が結構出題されていました。
5年 6月
今までの復習をしていました。首都大の他、受験校の電通大、東大の過去問も解いて本番に備えました。
筆記試験
7月6日、ついに本番がやってきました。前日は淵野辺のホテルに泊まりました。
試験時間等は、
集合 8:30
物理 9:00~10:30
数学 11:00~12:30
面接 14:00~
でした。当日朝、大学の正門目の前にあるマクドナルドで優雅に朝食を食べました。が、優雅にしすぎて集合時間に少し遅れてしまいました。試験会場の12号館が正門から遠かったためです。今後受験する方は気を付けてください。
試験会場についた時、まず受験生の多さに驚きました。どのコースも受入人数若干名なのに、10~20人はいるんじゃないか?ってくらい。一方、私が受けた物理学コースは私一人だけでした(悲しい)
解答用紙はA4サイズで、数学×4枚、物理×2枚、おもて面のみ使用可でした。というか問題番号がおもて面に書かれており、そこに解答を書きました。
ただ、問題番号の間隔がすっげーーーびっみょーで、答えだけ書けば良いのか過程も書くべきなのかわかりませんでした。問題冊子表面の注意事項にも解答の方法は書いておらず、試験官からの指示もなかったので、この辺いろいろ不親切でした。
下書き用紙もA4で、数学×2枚、物理×1枚で、ぜんっぜん計算スペース足りませんでした。
(問題冊子はスペースないし、解答用紙はびっみょーな間隔しか空いてないし、物理なんて下書き用紙A4 1枚だし....)
というように、解答方法でいろいろわからないことがあったので、試験官にどんどん質問する姿勢が大切だと思いました。
不親切で思い出しましたが、首都大の問題は単位が書いてあったり書いてなかったりします。(1)でx=1[m]として~とかって書いてあるのに、(2)ではy=3として~みたいな感じ。電荷Qで帯電した云々のあとに、静電容量C[μF]がでてくるみたいな感じ。10^6倍するの?しないの?で迷った過去問があったようななかったような...
分からないことがあったらとにかく質問しましょう。
こんなので点数落としたくないですよね...
では次に実際に出題された問題です↓
物理
大問1(力学)
1. 加速度aで下降するエレベーター内に質量mの質点がバネ係数kのバネに繋がれて水平に置かれている。最初バネは少し伸びており止まっているが、aを徐々に大きくしていくと、ある時刻で質点は動きだした。床と質点の静止摩擦係数をμ、動摩擦係数をμ’、質点の位置をx、時刻をtとしたとき、次の問いに答えよ。
(1)質点が動き始めるaは?
(2)質点が動き始めた時刻をt=0とする。t=0でx=A、t=t1でx=0としたとき、x(t)を求めろ。(ただし、0<=x(t)<=A)
(3)x=0になったときの失われた力学的エネルギーは?
↑こんなイメージ
2. 長さLの軽い棒の先に質量mの質点がくっついていて角振動数ωで回転している。っていう状況で回転運動に関する基本的な問4問。
大問2(電磁気学)
1. 電気双極子のまわりの静電ポテンシャルの問題
2. xyz座標において、
(1)yz平面中をy軸方向単位流さあたりJの電流がz軸正方向に流れているときの磁束密度の分布は?
(2)x>0の領域が全て導体で、j(x)=j0 e^(-kx) の電流がz軸正方向に流れているときの導体内の磁束密度の分布は?
大問3(熱力学、音)
1. 熱サイクルの熱量や仕事を求める問題4問
2. 異なる周波数の音をだす2つのスピーカー間で音を聞くとうなりが聞こえた。という状況でスピーカーを動かしたりして...っていうドップラー効果の問題3問。
あまり自信がない... 力学は例年高校物理で済んでたのに微分方程式使わないと解けなかった。ってか電磁気半分も解けてねえ。
もうボロボロ。大問3は熱力学で1つ解けないのがあったけど概ね大丈夫。
数学
例年通りの簡単なやつです。が、2問解けなかったのがあったので超焦りました。数学は簡単だから満点とらないと落ちると当時は信じてました。
面接
筆記試験後、しばらくしてから始まりました。物理学コース志望なのに物理ができなかったので、どうやっていじめられるだろうと冷や冷やしながら控室で独り待機しました。
【面接内容】
・志望理由は?
・興味のある分野は?
・(首都大の物理学科は幅広い分野の先生がいると言ったら)誰から聞いたの?
・(オープンキャンパスで聞いたと言ったら)いつ行ったの?
・試験の出来は?→全然できなかったと言う→笑い起こる
・大問2の1(全然解けなかったとこ)を後ろの黒板で解いてみて→迷いながら答えを示す。
・電気双極子って習ったよね?
・学校で力を入れてやったことはなにかある?運動とか?→語学
・英会話同好会(調査書に書いてあった)ってどんな感じで活動してるの?人数は?
・英語スピーチコンテストって?(調査書に書いてあった)
・卒研とかゼミとかやってる?
「ここからは合否には関係ないんだけど....」と前置きがあった後、
・卒業後は何したい?まだ入ってすらいないけど...
・学校で量子力学って習ってる?3年次編入だからやってないとキツいよ?単位変換もキツいかも...
口頭試問があった&受験者が1人だったせいか少し長かった。体感で20分くらい。筆記試験でできなかったところを突かれたこと以外失敗はありませんでした(と思う)
合格発表
合格発表は試験3週間後。すげえ焦らされた気分でした。7月27日、10:00。どうせ落ちてるだろうなーと思ってHPを開けたらなんとか受かっていました!
やったー!と思うと同時に、あんなに受験者いたのにこれっぽっちしか受かってないのか~と恐怖しました。まあ私のコースは1/1人合格で倍率1なんですけどね笑
感想、まとめ
数学、物理ともあまり良い出来とは言えなかったので、TOEICに助けられたのかもしれませんね。
注意する点としては、
・物理の単位
・解答方法
です。今後受験する人はほんと気を付けてください。わかんなかったら試験官にどしどし質問しちゃいましょう!
数学は毎年同じような、しかも簡単な問題がでます。が、簡単だからと言って舐めてかかると、たまにちょっと内容変わったりすることがあるので油断は禁物です。倍率が高いところで1, 2問落としたりすると命取りになると思うので。
物理は最近難化傾向にあると思うので、受験科目に物理がある人はがっつりしっかり勉強しちゃってください!
他に聞きたいこととか何かあればコメントください。追記していきます。